これまでリ サイタルなどでよく歌った曲、彼女自身に献呈された曲、
ケージ、ベリオ、松平、そして日仏の民謡までも含めた10曲をセレクション。
舞台人、奈良ゆみの集大成を築く声だけのスペクタクル。




「ソロ・ヴォイス」に向けて


京都、2001年夏。
ソロ・ヴォイスのための曲で構成されたスペクタクルのアイディアが生まれる。
ゆみがリサイタルでよく歌う曲、彼女自身のために献呈された曲もある。


パリ、8月の末。
ゆみと私は十曲ほど選ぶ
(ケージ、ベリオ、松平。それだけでなく日本とフランスの民謡も)。
秋がやがてやってくる。
私たちは“生地をねかせる”。


京都、12月中旬。
私たちは曲を再び聴き、音楽でいっぱいに満たされていく。
そして、あたかも私たちの意志に反してとでもいった具合に、
曲と曲とのあいだにひとつの秩序が形を取り、一つのスペクタクルが姿を現してくる。


京都、2002年11月。
一人の女、女優(ゆみその人か?)が舞台に登場し、
観客の目の前でオペラの一人物に変貌する。
演劇とは常に憑依の一形式であり、
ゆみは演劇の神の要請に身を捧げるすべを見事なまでに心得ている。

曲目はいまや一人の女の愛と生涯を運命として描き出している。
ゆみは自分が生み出したこのオペラをその避け難い終末にまで運んでいく。
そしてその演劇的な才能によってこのオペラに一種の必然性のようなものを授けるのだ。



ミッシェル・ワッセルマン



京都芸術センター フリースペース
日本
2002 年11月16日(土)19時開演
2002 年11月17日(日)15時開演

演出:
ミッ シェル・ワッセルマン
舞台装飾、衣装:

國 島芳子
道本啓介
照明:
關  秀哉
音響:
大 久保 歩
コーディネーター:
島 津梨沙
主催:
京 都芸術センター

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