幼い頃より、グレゴリア聖歌、詩吟、タンゴに親しむ。岩本喜仁氏に声楽の教えを乞う。 相愛女子大学(現相愛大学)声楽科卒業。木川田誠、柴田睦陸に師事。 関西日仏音楽コンクールでプルミエ・グランプリを受賞。フランス政府給費留学生としてパリ国立高等音楽院に入学、メシアンに注目される。パリ・フランス歌曲国際コンクールで芸術・文学特別賞を受ける。

以後、パリを拠点としてヨーロッパ各地のフェスティヴァル、ラジオ、テレビで盛んな演奏活動を展開。

ノエミ・ペルージア、イレーヌ・アイトフ、カミーユ・モラーヌ、モニック・ブーヴェ、ピーター・ゴットリーブ、ヴェラ・ロージャ、スジー・サックスに教えを受ける。

色彩感にあふれた声と創造的な表現力で、モンテヴェルディからジョン・ケージまで広いレパートリーをもつ。

 

とりわけ、現代音楽の分野で注目され、ブーレーズ、シノーポリ、エトヴォスなどの指揮でアンサンブル・アンテルコンタンポラン、フランス国営放送管弦楽団などと共演。

パスカル・デュサパン、グエン・チェン・ダオ、松平頼則,平義久をはじめ、多くの現代作曲家から曲を捧げられている。

舞台における独特な存在感と演技力が評価され、ピーター・ブルック演出の『骨』や『マハーバーラタ』にも出演している。フランソワ・ヴェレ、ヴィオラ・ファーバーの現代舞踏にも出演しフランス、ヨーロッパで公演をしている。 

s また、ミッシェル・ポルタル、ゲダリア・タザルテスと現代バレー、映画の音楽創作に携わっている。

パリ・バスティーユ・オペラ座で演奏されたメシアンの『ハラウィー愛と死の歌』を初めとして、シェーンベルク『月に憑かれたピエロ』、モーリス・オハナ『三つの御花(オハナ)の物語』公演などが高い評価を受ける。またフランス政府文化省の派遣により、サティとフランス六人組やラヴェル『シェヘラザード』など、フランス歌曲や現代音楽を東欧・ロシアで紹介するコンサートを数多く行っている。

さらに、西鶴の『好色一代女』のテキストを使ったジャン=クロード・エロワの作品『仏明会』や、松平頼則のモノオペラ『源氏物語』の歌い手として、日本の音楽・文化が西洋の現代音楽と結びつく可能性を明示する。

2008年1 月にはパリで開催された『メシアン誕生100年記念のオープニングコンサート 』で 『ミのための詩』(ロジェ・ムラロ、ピアノ)を歌う。

 

日本では、各地での演奏活動と並んで、

1988-90年、大阪城ホールでの『一万人の第九』でソプラノソロを歌う。
1998年ドビュッシー『ペレアスとメリザンド』(ジャン・フルネ指揮 東京都交響楽団)のメリザンド、

1999年に京都秋の芸術祭,2001年には、東京、神戸でプーランクのモノオペラ『人間の声』(ミッシェル・ワッセルマン演出,寺嶋陸也ピアノ)を歌う。

2002年京都市芸術センターの委嘱で、全曲ア・カペラによるモノオペラ『Solo Voice』(M.ワッセルマン演出)を初演。

2004年武生国際音楽祭で『パリへの旅』でシャンソンを歌う(寺嶋陸也ピアノ)

2008年東京、『メシアンへのオマージュ』メシアン生誕100年記念(藤井一興ピアノ)

2011年東京、『月明かりの幻想―松平頼則没後10周年記念』松平頼則とシェーンベルク(寺嶋陸也ピアノ)

2012年東京、『グエン・チエン・ダオの世界』で『INORI.3.11』を初演(上野信一 打楽器)

2020年東京、音楽詩劇『葵の上―業のゆくえ』松平頼則作曲、笈田ヨシ演出構成
亀井州(ヴァイオリン、尺八、他)、山村雅治(語り)

2001年より、さまざまなクリエイティヴなテーマで、年2回のリサイタル(谷口敦子ピアノ)が大阪モーツァルト・サロンで催されている。

 

 

CD録音も数多く、『ドビュッシー歌曲集』(ピアノ:クロード・ラヴォワ)<Cypres> は、仏音楽誌『ル・モンド・ド・ラ・ミュジック』が 最高推薦盤 に挙げている。

2006年に日本に輸入された『フォーレ歌曲集』(ピアノ:クロード・ラヴォワ)<Cypres>,また松平頼則声楽作品集I, <ALM>、『デオダ・ド・セヴラック歌曲集』(ピアノ:椎名亮輔)<ALM>、日本女性作曲家の歌曲集『歌、太陽のように』(ピアノ:モニック・ブーヴェ)<ALM>なども 音楽之友社『レコード芸術』にて特選盤に選ばれる。 

 


Copyright Yumi Nara 2003 all rights reserved.

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