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色彩ではな く、陰影だけが。 そう、夢と夢を、横笛と角笛を 一体にできるのは、陰影だけなのだ。 ポール・ヴェルレーヌ |
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このCDでは、 ヴェルレーヌの詩にもとづく歌曲に再び脚光を充て、それに初期の有名な歌曲や、時代的には遅れる『夕暮れ』(『牢獄』と同じく 1894年)などを対比させている。パリのサロンで人気を博したこれらの曲には、若きフォーレの魅力がうかがえる。このころのフォー レは構えのない詩人達とは相性がよかったが、ボードレールのような詩人には向いていなかったようだ。しかしある種の詩(例えばアル ベール・サマン)をより美しく響かせる術には長けていたし、シュリー・プリュドムの『ゆりかご』には、その詩情にふさわしい音楽表現 を編み出している。さらに陰影が欲しい。 |
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ミッ
シェル・ストッケム(中村亮二訳)
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